プルルル…プルルル…
「あ、亜樹どうしたの?
夜にいきなり電話掛けてくるなんて珍しいね」
「ねぇ沙耶、窓から外見てみ」
星や月が綺麗とかそんなのかなと思いつつ私は部屋の窓を開けた。
「沙耶、下見て」
電話越しの声にそって下を見ると、自転車にまたがった亜樹が嬉しそうに小さく手を振った。
「え、亜樹!?なんでこんな所にいるの?」
「暇だし、なんか会いたかったから」
「今行くから少し待ってて!」
まるで映画のヒロインになったような気分だった。
少女漫画とかであるあるなシーンだとしても実際目の前で起きると、ときめいて嬉しくって舞い上がった。
電話を切って2分で支度して、家族にバレないようこっそり外を出る。
「おまたせ!少ししか居れないけど…」
「ううん、出てきてくれてありがとうな。
俺さ、家でなんとなく沙耶の似顔絵描いてたんだけど…
描いてたら本物に会いたくなっちゃって。」
「私も会えて嬉しい…」
言いようのないときめきで身体中がいっぱいになって、まだ16歳の私には言葉にできないたくさんの感情が溢れて溢れて止まらないようだった。
