「奈那?」
「多分、お姉ちゃんが私を戻してくれたんだと思う。」
「…そっか。」
「さあ!退院したらやりたいことたくさんあるんだい!」
「その前にテストな。」
…うっ…
現実的な言葉が聞こえてきた。
「何も考えたくないやあ♪」
「お前が受けてなかった授業の補習あるぞ」
「…何も考えたくないやあああ!!!」
テスト…
勉強はきらいなんだよっ…
「李那、現実逃避すんなよ…」
扉を開けて蒼空が柊と共に入ってくる。
その顔は呆れ返ってた。
「だって、私馬鹿なのに授業受けれてないんだよ?!」
「そんな李那のために俺らがいるんだろ?」
…へ?
「数学と社会系は裕さん、国語と英語は海澪、理科は俺がするから、はい、お勉強しましょう。」
…蒼空、勉強出来たんだ。
私よりアホだと思ってた。
ごめんよ、蒼空。
「実際お前よりやばそうなのもいるけどな。」
「どーいうこと?」
「アホ連中は今から猛勉強しないと赤点ばっかりだろうな。」
…その中に私も入りそう、やだ、赤点だけはいらない。
【如月李那side END】

【更科蒼空side】
病室に戻り、李那は今器用なことに全ての科目を同時に覚えようとしている。
…李那の暗記力は変な所でしか活かされない。
「ん?蒼空、ここは?」
李那が教科書を読みながら英語のリスニングを解いている。
更に理科の問題を解いている。
…ある意味すげーわ。
ちゃんと覚えれてるのか?あれ。
「ここはテストでないよ。」
「オッケー。」
「テストで赤点取らなかったら授業の補習無くなるから頑張れ。」
李那の体のことを知ってる先生が担任でよかった。
「うん、頑張る。」
李那が珍しく真面目な顔して勉強してる…
学校で集中力が3秒と持たない李那が…
今日は勉強してても寝てない。
【更科蒼空side END】