「ーお化け屋敷〜!」
適当にフラフラ歩いているとお化け屋敷を発見。
それも美那ちゃんのクラスだ。
「あ、お姉ちゃん!」
美那ちゃんが受付で俺らを見た。
「みんな怖すぎるって言って来ないのによく来たね!…まあ、お姉ちゃんだからそりゃそうか…」
李那がホラー好きなのは家族もドン引きだ。
「ここは2組と合同のお化け屋敷です。
さあ、あなた達は生きて帰って来れますか?」
美那ちゃんは恐ろしい笑顔でニッコリ微笑む。
「はーい!5名様ごらいてーん!」
美那ちゃんにドンッと押された俺らは仕方なく進むことにした。
「うひょー…リアルだねえ…」
李那が首吊り自殺しているのに興味津々で近づいていく。
「…そりゃあ生きてますからね」
「おお、やっぱりな、脈取りに来たんだわ。」
李那はやっぱりケタケタ笑いながら役者の子の頭を撫でてる。
役者の子は思ってたのと違う…みたいな顔をして俺たちを見送る。
次に出てきたのは包丁で刺された女。
これまた李那が近づいていく。
楽しそうにルンルン気分だ。
「すごいーリアルだねえー
ほんとに死んでるみたいだよー」
役者の子はプルプル震えていて今にも笑いそうだ。
「さあ次行こう!」
李那がさっさと立ち去るとその子がゼェゼェ言ってるのが聞こえた。
…一生懸命息止めてたんだね…
お疲れ様です。

「ーふう、楽しかった♪」
「あれ、もうでてきたの?」
「うん!」
美那ちゃんは苦笑して中を覗きに行く。
同時に中からお化け役の子が出てきた。
「美那!さっきの客!全然驚いてねぇのが一人いたんだけど?!」
あ、首吊り自殺役の子だ。
俺、最後かなりびっくりして奇声上げてたから俺じゃないぞ…
「…この人…」
「それ、私のお姉ちゃん…」
「お姉さん?!」
風雅も中から出てきて苦笑している。
「風雅くん、あなたおばけ感なくて面白かったよ」
「ふーうーがー?!」
たしかに風雅はおばけと言うよりしゃべり相手だったな…
「美那、楽しかった!じゃあねー」
「はーい!」
李那はルンルンで元来た道を引き返して行った。
校庭でやってるで店を眺めている中で李那の目がある1点で止まった。
つられて俺もその辺を見る。
…やっぱりか…
「…李那…」
「…殺りたいなあ…」
…待てよ、李那、漢字が違うぞ。
あー怖い怖い
【中矢裕side END】

【更科蒼空side】
お化け屋敷で全然びっくりしてないし怖がってもいなかった李那。
気になった俺は李那を呼び止めて聞いてみることにした。
「李那…」
「なーに?」
「お化け屋敷、怖くないの?」
李那はきょとんとした顔をしているがぽんと手を叩き、笑った。
「何その質問!私、お化けは怖いよ?」
「…え、でもさっき。」
「あれはね、お化けじゃない。
私は本当に怖いって言うことを知っているからなんとも思えてないだけ。」