『蒼空くん!返信してよっ』
…見れば見るほどウザイ。
可愛いとでも思ってるのか?
井上、頼むから李那と海澪に危害は加えないでくれ…
俺にも近づかないでいただきたい。
【更科蒼空side END】
【如月李那side】
…
朝。
教室に入った瞬間から呆然と立ち尽くす私と海澪。
そして蒼空。
「…なんで…?」
海澪の机がぐちゃぐちゃで臭くなっていた。
この匂い…腐った食べ物か…
既にクラスの何人かによって綺麗にはされているけど匂いまで落ちるわけがない。
犯人は…
「あの、俺、見たんだけどさ。」
クラスの男子がおずおずと前に出てくる。
「これ、古川の……机をこうしてたの、井上だった…」
…やっぱりな。
何かはしでかすと思っていたけど…
こんな幼稚なことするとか、馬鹿なの?
馬鹿なんだな、わかった。
「じゃあ井上の机と変えときゃいいじゃん。」
私は淡々と冷めた視線のままカバンを床に放って机を交換しに向かった。
私は海澪の机を井上の所まで運ぶ。
…くさっ…
まだ暑いのにこんなんするとか、病気になるんじゃない?ってくらいのレベル。
「これでいいじゃん。」
「李那…」
海澪の顔を見ると泣きそうだった。
「こうなったのなんでなんだろうね…」
「わかんないけど、なんとかなるよ。」
…甘く考えすぎてたのかもしれない。
井上の事。
まさかあんなに執念深いとは思わなかったし。
「…私がそばにいるよ…大丈夫、海澪…」
海澪は見えない恐怖にカタカタ震えている。犯人は井上。
分かってる。
…けど、証拠がない。
証言だけじゃ何ともならない。
物的証拠、複数の証言じゃないと。
「…李那…」
ーがらっ…
勢いよく開けられた教室の扉。
教室にいた全員の視線が扉を向く。
「…なによ?」
井上世莉香。
まさかここまでするやつだとは思ってなかったよ。
その根性叩き直してやりたいくらい…
久しぶりに心から潰したいと思える相手に出会えたよ。
【如月李那side END】
【更科蒼空side】
海澪…
カタカタ震えてる海澪を見るとやっぱり井上がやったのかと思えてくる。
いや、やったのは井上なんだけど。
「どうして私の机がこんなに臭いのよ!」
…ヒステリックに叫ぶ井上世莉香。
どうしてって、やったのは自分だろ?
あの脳みそ大丈夫か?
李那は怒ってる。
怒ってるけど冷静だ。
顔に出さず、堪えている。
「この机私のじゃないでしょ?!」
…これ、自分が犯人だって言ってるようなものだよな…
大体なんでこいつこんなに怒ってるんだよ…
「…」
井上と…
俺の視線が絡んでしまった。
「蒼空くん!ちょっと来て!」
「え、いや、その…」
俺は返答に困り、李那に助けを求める。
李那は怪訝な顔をしながら助け舟を出してくれた。
「ここで話せばいいじゃん。
それとも何?
ここじゃ言い難いことなの?」
李那の視線が冷たすぎて俺の体が固まってしまった。
「いいわ、ここで話すわよ!」
俺はハラハラしながら2人の会話を聞く。
「蒼空くんがなんで私にLINEの返信くれないのか知りたいだけなの!」
…え?
はい?
そんだけ?
…見れば見るほどウザイ。
可愛いとでも思ってるのか?
井上、頼むから李那と海澪に危害は加えないでくれ…
俺にも近づかないでいただきたい。
【更科蒼空side END】
【如月李那side】
…
朝。
教室に入った瞬間から呆然と立ち尽くす私と海澪。
そして蒼空。
「…なんで…?」
海澪の机がぐちゃぐちゃで臭くなっていた。
この匂い…腐った食べ物か…
既にクラスの何人かによって綺麗にはされているけど匂いまで落ちるわけがない。
犯人は…
「あの、俺、見たんだけどさ。」
クラスの男子がおずおずと前に出てくる。
「これ、古川の……机をこうしてたの、井上だった…」
…やっぱりな。
何かはしでかすと思っていたけど…
こんな幼稚なことするとか、馬鹿なの?
馬鹿なんだな、わかった。
「じゃあ井上の机と変えときゃいいじゃん。」
私は淡々と冷めた視線のままカバンを床に放って机を交換しに向かった。
私は海澪の机を井上の所まで運ぶ。
…くさっ…
まだ暑いのにこんなんするとか、病気になるんじゃない?ってくらいのレベル。
「これでいいじゃん。」
「李那…」
海澪の顔を見ると泣きそうだった。
「こうなったのなんでなんだろうね…」
「わかんないけど、なんとかなるよ。」
…甘く考えすぎてたのかもしれない。
井上の事。
まさかあんなに執念深いとは思わなかったし。
「…私がそばにいるよ…大丈夫、海澪…」
海澪は見えない恐怖にカタカタ震えている。犯人は井上。
分かってる。
…けど、証拠がない。
証言だけじゃ何ともならない。
物的証拠、複数の証言じゃないと。
「…李那…」
ーがらっ…
勢いよく開けられた教室の扉。
教室にいた全員の視線が扉を向く。
「…なによ?」
井上世莉香。
まさかここまでするやつだとは思ってなかったよ。
その根性叩き直してやりたいくらい…
久しぶりに心から潰したいと思える相手に出会えたよ。
【如月李那side END】
【更科蒼空side】
海澪…
カタカタ震えてる海澪を見るとやっぱり井上がやったのかと思えてくる。
いや、やったのは井上なんだけど。
「どうして私の机がこんなに臭いのよ!」
…ヒステリックに叫ぶ井上世莉香。
どうしてって、やったのは自分だろ?
あの脳みそ大丈夫か?
李那は怒ってる。
怒ってるけど冷静だ。
顔に出さず、堪えている。
「この机私のじゃないでしょ?!」
…これ、自分が犯人だって言ってるようなものだよな…
大体なんでこいつこんなに怒ってるんだよ…
「…」
井上と…
俺の視線が絡んでしまった。
「蒼空くん!ちょっと来て!」
「え、いや、その…」
俺は返答に困り、李那に助けを求める。
李那は怪訝な顔をしながら助け舟を出してくれた。
「ここで話せばいいじゃん。
それとも何?
ここじゃ言い難いことなの?」
李那の視線が冷たすぎて俺の体が固まってしまった。
「いいわ、ここで話すわよ!」
俺はハラハラしながら2人の会話を聞く。
「蒼空くんがなんで私にLINEの返信くれないのか知りたいだけなの!」
…え?
はい?
そんだけ?



