「あれからまた好きになったら受け止めるって…」
私は裕くんとあったことを何一つ隠さずに蒼空に話した。
「…裕さんらしいな。」
話終わった感想を一言。
蒼空は裕くんらしいって言った。
正直今、裕くんより自分の体だ。
体が重たくてしょうがない。
「李那、今お前体が辛いだろ。」
「え、なんで…」
「お前、体辛くなると顔に出るからな。」
…私より私の事よくわかってる気がする。
「…そっか。やっぱり分かるんだ。」
「この間検査だったろ。」
…げっ。
何もかも筒抜けじゃん、海澪…
検査のことは海澪にしか言ってないよね?
「李那?ジュースこれしかなかったけど…」
「やった!ありがとう海澪!」
…流石海澪。
私のこと分かってる。
みかんジュース♪
大好きなんだよねー
こんなに美味しいジュース延々飲めるなんて感激!
「李那?なんかあった?」
「蒼空に検査の事言ったでしょ。」
「…ごめん、聞いてきたから。」
「まあいいけどさ。」
蒼空を見ると自分のスマホを弄っている。
ゲームでもしてるのか…
こいつは携帯とトイレとお友達だからな…
「海澪、今日寄りたいところあるんだけど、いい?」
「どこ?」
「本屋さん」

放課後。
私は海澪と蒼空と共に学校近くの本屋に立ち寄った。
本屋に着いた瞬間それぞれが別のところに行く。
蒼空はマンガ。
海澪は文庫本。
私は…
「…あった…」
わたしが探していたのは文庫本でもなくマンガでもなく、医学の本。
それもALSについて。
「…やっぱりか…」
私は索引である言葉を探していた。
“治療法”
この項目を。
やっぱり治らない病気なんだ。
「常に…進行性…」
やっぱり…絶対治らない…
「…リルゾール…ああ、リルテックのことか…」
確かこの薬は進行を抑制してくれるはず。
私の受けている薬だ。
…あんまり収穫なかったな…
ぱらりとページをめくると私は思わずその本を落としてしまった。
“若い頃に発症した場合呼吸不全で死亡”
“高齢者の場合、認知症と合併の恐れ”
…やだ、怖い。
私は結局その本を買うことにした。
しっかり、読まないといけないきがするから…
蒼空と海澪には内緒で私はその分厚い本を買った。
「…蒼空!海澪!付き合ってくれてありがとう!」
「なんかテンション高くね。」
「なんかあったのか?」
…なんだよお…
バレるの早すぎでしょ。
私嘘つくの下手くそか。