…シーン、と静まり返った部屋。
僕の部屋も、生活感なんて殆どない。
本棚には本がぎっしり。
…お父さんが、くれた本。
「…お風呂、入ろう…」
お湯を張っている間、僕は本を読む。
時計を見てため息を1つ。
…お父さん、今日も遅いのかな…
「…入ろ。」
自室から部屋着を持ってきてタオルとともに風呂場へ。
体と頭を洗って湯船に浸かる。
壁に頭を当てると隣の部屋から賑やかな声が響く。
…希望が楽しそうならそれでいい。
ザバッと上がると服を着てリビングに向かう。
ぺたぺた歩く自分の足音だけが誰もいない部屋に響く。
…お父さん、何時だろう…
『お父さん、今日遅い?』
『今日か?もう少ししたら家に着くぞ。』
…今日は早いんだ。
だったら適当に作っておこう。
カップ麺じゃあ栄養はとれないから、チャーハン作ろう。
簡単だし、お父さんが帰ってくるまでにはできるでしょ。
ーガチャ…
ご飯を作り終わってウトウトしてたところ。
玄関が開く音で目が覚めた。
ードサッ…
…?
なんの音だ?
荷物の音じゃない…?
玄関に向かうとお父さんが仰向けで倒れていた。
「お父さん?!」
「…おお…ただいま…」
僕は慌ててお父さんのおでこに手を当てる。
僕の手は比較的温かい。
その手でもお父さんのおでこは熱かった。
外を見ると雨。
「お父さん、立てる?」
僕は荷物を持って、お父さんを支える。
フラフラとお父さんは立ち上がって僕に寄りかかる。
…風邪かな。
お父さんの寝室に行って、服を着替えさせる。
今は冬だ。
…布団を被せて…と…
僕は台所に向かってボウルに氷を入れた。
その後水を入れる。
タオル持ってと…
寝室に戻るとお父さんはカタカタ震えながらくるまっていた。
体温計で図ると38.7…
かなり高い。
「お父さん…食欲ある?」
「…ある…」
…本当はないんだね。
嘘をつく時のお父さんは右をむく。
わかりやすい人だ。
でもまあ、あるって言ってるし、おかゆでも作って食べさせよう。
チャーハンは作ったけど、明日の僕のご飯にしよう。
「お父さん、食べて。」
「…いただきます…」
少し楽になったのか、お父さんは起き上がった。
「あんまり無理しないで。今はゆっくり休んで。」
お粥をお椀に入れて手渡す。
薬も一緒に持ってきた。
水も…
「うん、美味い。叶夢のご飯は美味しいなあ…」
お父さんはふにゃりと笑って食べる。
「…良かった。」
本当に食欲はあるみたいだね。
僕の部屋も、生活感なんて殆どない。
本棚には本がぎっしり。
…お父さんが、くれた本。
「…お風呂、入ろう…」
お湯を張っている間、僕は本を読む。
時計を見てため息を1つ。
…お父さん、今日も遅いのかな…
「…入ろ。」
自室から部屋着を持ってきてタオルとともに風呂場へ。
体と頭を洗って湯船に浸かる。
壁に頭を当てると隣の部屋から賑やかな声が響く。
…希望が楽しそうならそれでいい。
ザバッと上がると服を着てリビングに向かう。
ぺたぺた歩く自分の足音だけが誰もいない部屋に響く。
…お父さん、何時だろう…
『お父さん、今日遅い?』
『今日か?もう少ししたら家に着くぞ。』
…今日は早いんだ。
だったら適当に作っておこう。
カップ麺じゃあ栄養はとれないから、チャーハン作ろう。
簡単だし、お父さんが帰ってくるまでにはできるでしょ。
ーガチャ…
ご飯を作り終わってウトウトしてたところ。
玄関が開く音で目が覚めた。
ードサッ…
…?
なんの音だ?
荷物の音じゃない…?
玄関に向かうとお父さんが仰向けで倒れていた。
「お父さん?!」
「…おお…ただいま…」
僕は慌ててお父さんのおでこに手を当てる。
僕の手は比較的温かい。
その手でもお父さんのおでこは熱かった。
外を見ると雨。
「お父さん、立てる?」
僕は荷物を持って、お父さんを支える。
フラフラとお父さんは立ち上がって僕に寄りかかる。
…風邪かな。
お父さんの寝室に行って、服を着替えさせる。
今は冬だ。
…布団を被せて…と…
僕は台所に向かってボウルに氷を入れた。
その後水を入れる。
タオル持ってと…
寝室に戻るとお父さんはカタカタ震えながらくるまっていた。
体温計で図ると38.7…
かなり高い。
「お父さん…食欲ある?」
「…ある…」
…本当はないんだね。
嘘をつく時のお父さんは右をむく。
わかりやすい人だ。
でもまあ、あるって言ってるし、おかゆでも作って食べさせよう。
チャーハンは作ったけど、明日の僕のご飯にしよう。
「お父さん、食べて。」
「…いただきます…」
少し楽になったのか、お父さんは起き上がった。
「あんまり無理しないで。今はゆっくり休んで。」
お粥をお椀に入れて手渡す。
薬も一緒に持ってきた。
水も…
「うん、美味い。叶夢のご飯は美味しいなあ…」
お父さんはふにゃりと笑って食べる。
「…良かった。」
本当に食欲はあるみたいだね。



