「あれ?」
「あ…」
あれから着替えてきたんだ。
蒼空。
「用ってここの事?」
「そう。大事な人の命日だから。」
大事な人…
やっぱり蒼空はまだ…
「好きとかじゃなくて、…友達だから。」
…その割には愛しいものを見るような顔をするんだ。
「…あ、みんな揃ってる…」
「裕くん」
李那の大好きなパンジーの花。
お墓になんでこれ?って言いたい。
けど李那や奈那さんがこの花を好きだから仕方ない。
私達も蒼空も裕くんも、スーツを着ている。
李那の命日。
皆特に連絡する訳でもなく、自然と集まる。
「今日は叶夢も午前終わりらしいからそのまま出かけるんだよ。」
「そうなんだ。」
叶夢は陸上部。
李那と同じ競技。
短距離と高飛び。
よく裕くんとランニングしている。
静かに裕くんも手を合わせると立ち上がる。
凛々しい顔つきになった裕くん。
みんな、もういい大人だ。
…独身は蒼空と黒田先輩…
もうそこでくっつけって言いたい。
黒田先輩、蒼空大好きだから…
「さて、みんなこれからどうするの?」
「…うーん、みんな今日休み?」
「うん。」
この時間にいるんだから、みんな休みでしょ。
「昼からボーリングとか行かない?」
「いいね。」
叶夢もつれて行こう。
13歳になった叶夢は身長は高くなった。
でも顔は何故か変わらない。
李那にそっくりだ。
綺麗な顔立ちをしている。
「ーお待たせ。」
「こんにちは。」
叶夢と裕くんは少し遅れてボーリング場に着いた。
「よし、じゃあまあ、元気に行こうや!」
…誰だよ蒼空にお酒飲ませたの…
「ぉぉお、蒼空酒飲むとこうなるのか。」
お前かよ!
黒田先輩…
「黒田先輩、呑んでます?」
「おう!」
「おう!じゃない!蒼空を巻き込まないで!」
「まあまあ落ち着けって!」
叶夢は物静かになった。
時々ふっと空を見上げて微笑んでいるのは李那を思っているんだろう。
「…叶夢。」
「あ、海澪さん。」
いい教育をされてきたのか。
叶夢の言葉遣いはすごく丁寧だ。
「…小学校に入学した時お母さんのビデオを見ました。
…優しい顔で小学校の入学を祝ってくれました。」
…3つビデオあるって言ってたもんね…
裕くんは再婚してない。
だから1つ目は見てないんだと思う…
「お父さん、僕に気を使って再婚しないんですよ。
僕はいいって言っているんですけどね。」
裕くんの左手の薬指にはまだ李那との結婚指輪が付けられている。
裕くんはかっこよくてモテる。
なのに再婚しないということはやっぱり李那が特別だからだ。
「僕には…幼い時の記憶の母しかいません。
もっと長くそばにいたかったです。
…けど、命日や母の誕生日は何故かそばにいてくれている気がして。」
…命日や李那の誕生日は李那が側にいてくれているのかもね…
「あ…」
あれから着替えてきたんだ。
蒼空。
「用ってここの事?」
「そう。大事な人の命日だから。」
大事な人…
やっぱり蒼空はまだ…
「好きとかじゃなくて、…友達だから。」
…その割には愛しいものを見るような顔をするんだ。
「…あ、みんな揃ってる…」
「裕くん」
李那の大好きなパンジーの花。
お墓になんでこれ?って言いたい。
けど李那や奈那さんがこの花を好きだから仕方ない。
私達も蒼空も裕くんも、スーツを着ている。
李那の命日。
皆特に連絡する訳でもなく、自然と集まる。
「今日は叶夢も午前終わりらしいからそのまま出かけるんだよ。」
「そうなんだ。」
叶夢は陸上部。
李那と同じ競技。
短距離と高飛び。
よく裕くんとランニングしている。
静かに裕くんも手を合わせると立ち上がる。
凛々しい顔つきになった裕くん。
みんな、もういい大人だ。
…独身は蒼空と黒田先輩…
もうそこでくっつけって言いたい。
黒田先輩、蒼空大好きだから…
「さて、みんなこれからどうするの?」
「…うーん、みんな今日休み?」
「うん。」
この時間にいるんだから、みんな休みでしょ。
「昼からボーリングとか行かない?」
「いいね。」
叶夢もつれて行こう。
13歳になった叶夢は身長は高くなった。
でも顔は何故か変わらない。
李那にそっくりだ。
綺麗な顔立ちをしている。
「ーお待たせ。」
「こんにちは。」
叶夢と裕くんは少し遅れてボーリング場に着いた。
「よし、じゃあまあ、元気に行こうや!」
…誰だよ蒼空にお酒飲ませたの…
「ぉぉお、蒼空酒飲むとこうなるのか。」
お前かよ!
黒田先輩…
「黒田先輩、呑んでます?」
「おう!」
「おう!じゃない!蒼空を巻き込まないで!」
「まあまあ落ち着けって!」
叶夢は物静かになった。
時々ふっと空を見上げて微笑んでいるのは李那を思っているんだろう。
「…叶夢。」
「あ、海澪さん。」
いい教育をされてきたのか。
叶夢の言葉遣いはすごく丁寧だ。
「…小学校に入学した時お母さんのビデオを見ました。
…優しい顔で小学校の入学を祝ってくれました。」
…3つビデオあるって言ってたもんね…
裕くんは再婚してない。
だから1つ目は見てないんだと思う…
「お父さん、僕に気を使って再婚しないんですよ。
僕はいいって言っているんですけどね。」
裕くんの左手の薬指にはまだ李那との結婚指輪が付けられている。
裕くんはかっこよくてモテる。
なのに再婚しないということはやっぱり李那が特別だからだ。
「僕には…幼い時の記憶の母しかいません。
もっと長くそばにいたかったです。
…けど、命日や母の誕生日は何故かそばにいてくれている気がして。」
…命日や李那の誕生日は李那が側にいてくれているのかもね…



