【古川海澪side】
…裕くんからのLINEを見て、私まで泣きそうになった。
『ごめん、海澪ちゃん。
今晩、叶夢を預かって欲しい。
…明日迎えに行くからって伝えといて欲しい。』
最後だけ…伝えなきゃ。
「叶夢、今日はここでお泊まりだよ〜」
「パパとママは?」
叶夢はパパとママ大好きだもんね。
李那が…ママが死んだって知ったらどうなってしまうんだろう…
「今日はお出かけ行ってるんだって。
明日はパパが迎えに来るって。」
「…わかったー」
「よーしっ、何回もお泊まりしてるから分かるかなー?」
よく我が家にお泊まりに来ていた叶夢。
希望と一緒に寝ている。
「分かるよ!
明日になったらパパ迎えに来てくれるんだよね?」
「そうだよ〜」
…本当のことは私からは伝えられない。
「叶夢、じゃあおじさんと入るか?」
「蒼空おじさんと?!入る!」
「…え、ごめん、冗談…」
蒼空はあたふたと私を見る。
「いいよ、蒼空も泊まってって。」
秀一が自分の部屋着を手渡しながら笑う。
「…蒼空がいた方が叶夢もリラックスできると思うよ」
私は蒼空の耳元で静かに話す。
「…寂しい思いしなくちゃいけないから…一緒に入って、寝てあげて。」
「…分かった。」
蒼空も気づいていると思う。
李那はもう二度と目を覚まさないということを。
「ー…おやすみー…」
「おやすみ、叶夢。ゆっくり寝てね。」
叶夢は蒼空に抱っこされながら希望とはまた別の部屋に入って行った。
…半分物置だったけど、そこに布団を敷いて2人で寝ることになったらしい。
蒼空は力強い目で私を見てコクリと頷く。
“任せろ”とでも言いたいんだろう。
言葉に甘えて蒼空に任せるしかない。
【古川海澪side END】
【更科蒼空side】
「…おじさん…」
「どうした?叶夢。」
「…ママ、どうしたのかな…」
…言えるわけがない。
李那はもう、目を覚まさない、なんて。
そんな酷いこと、言えない。
これを言うのは裕さんの役目だ。
「お出かけ行ってしまったんだって〜
明日には帰ってくるよ。
そしたらパパが迎えに来てくれるから、それまでおじさんと一緒に待とうね。」
「…うん。僕、待つ。」
…ごめんな、叶夢。
本当のことは俺の口から言えないよ。
李那は…叶夢のママはもう、この世からいなくなってしまったことを。
直ぐに眠りに入った叶夢は俺の手をぎゅっと握りしめて寝ている。
…いつも李那と裕さんの間に入って寝ているんだろう。
「…マ、マ…」
母親が心配なのか。
寝ながらも叶夢は李那を呼ぶ。
母親を求めてる。
「…ごめんな、叶夢…」
俺は叶夢の頭を優しく撫でて抱きしめる。
サラサラの髪。
寝ている顔も、李那にそっくりだ。
形のいい唇だけ裕さんに似ている。
その他のパーツは全て李那に似ている。
…裕くんからのLINEを見て、私まで泣きそうになった。
『ごめん、海澪ちゃん。
今晩、叶夢を預かって欲しい。
…明日迎えに行くからって伝えといて欲しい。』
最後だけ…伝えなきゃ。
「叶夢、今日はここでお泊まりだよ〜」
「パパとママは?」
叶夢はパパとママ大好きだもんね。
李那が…ママが死んだって知ったらどうなってしまうんだろう…
「今日はお出かけ行ってるんだって。
明日はパパが迎えに来るって。」
「…わかったー」
「よーしっ、何回もお泊まりしてるから分かるかなー?」
よく我が家にお泊まりに来ていた叶夢。
希望と一緒に寝ている。
「分かるよ!
明日になったらパパ迎えに来てくれるんだよね?」
「そうだよ〜」
…本当のことは私からは伝えられない。
「叶夢、じゃあおじさんと入るか?」
「蒼空おじさんと?!入る!」
「…え、ごめん、冗談…」
蒼空はあたふたと私を見る。
「いいよ、蒼空も泊まってって。」
秀一が自分の部屋着を手渡しながら笑う。
「…蒼空がいた方が叶夢もリラックスできると思うよ」
私は蒼空の耳元で静かに話す。
「…寂しい思いしなくちゃいけないから…一緒に入って、寝てあげて。」
「…分かった。」
蒼空も気づいていると思う。
李那はもう二度と目を覚まさないということを。
「ー…おやすみー…」
「おやすみ、叶夢。ゆっくり寝てね。」
叶夢は蒼空に抱っこされながら希望とはまた別の部屋に入って行った。
…半分物置だったけど、そこに布団を敷いて2人で寝ることになったらしい。
蒼空は力強い目で私を見てコクリと頷く。
“任せろ”とでも言いたいんだろう。
言葉に甘えて蒼空に任せるしかない。
【古川海澪side END】
【更科蒼空side】
「…おじさん…」
「どうした?叶夢。」
「…ママ、どうしたのかな…」
…言えるわけがない。
李那はもう、目を覚まさない、なんて。
そんな酷いこと、言えない。
これを言うのは裕さんの役目だ。
「お出かけ行ってしまったんだって〜
明日には帰ってくるよ。
そしたらパパが迎えに来てくれるから、それまでおじさんと一緒に待とうね。」
「…うん。僕、待つ。」
…ごめんな、叶夢。
本当のことは俺の口から言えないよ。
李那は…叶夢のママはもう、この世からいなくなってしまったことを。
直ぐに眠りに入った叶夢は俺の手をぎゅっと握りしめて寝ている。
…いつも李那と裕さんの間に入って寝ているんだろう。
「…マ、マ…」
母親が心配なのか。
寝ながらも叶夢は李那を呼ぶ。
母親を求めてる。
「…ごめんな、叶夢…」
俺は叶夢の頭を優しく撫でて抱きしめる。
サラサラの髪。
寝ている顔も、李那にそっくりだ。
形のいい唇だけ裕さんに似ている。
その他のパーツは全て李那に似ている。



