各自材料を持参してるし。
私の家ではたこ焼き機。
裕くんはタコ。
蒼空がお菓子とたこ焼き粉。
海澪がトッピング類。
椿と桜がジュース。
茉希と沙良は…ウィンナー?
なんでウィンナー?って思ったけど、始めたら納得出来た。
タコの代わりにウィンナーいれてる。
更には海澪が持ってきたチーズかけてる。
…美味しいのかあれ…
私は膝の上の叶夢にミルクを与えながらその様子を眺める。
「あっつ!あ、でも美味しい…あついあつい!」
…そりゃチーズだもんねえ…
あついと思うよ…
「まあまあ」
「どしたの叶夢。」
「たーあ」
…楽しいのかな?
いつもより人が多くて嬉しいのかもしれないね。
「ぱあーぱあー」
「ん?」
裕くんはたこ焼きを焼きながら叶夢を見る。
叶夢は一生懸命パパを探してキョロキョロ…
でも今裕くんに近づくと危ないから我慢して叶夢。
…それにしても大きくなったねえ…
生まれたてを知ってるから余計かな?
「まあまあ?」
…目元が裕くんに似てる気がする…
「ふぅ…一段落…」
「お疲れ。」
「おう、叶夢〜…」
疲れてたんじゃないのか。
我が子を溺愛しすぎてるんじゃないか?
「裕さーん」
「お?」
「次ウィンナーがいいっす!」
「自分で焼け!!」
蒼空が笑いながら自分で焼いていく。
私は叶夢を軽く抱きながらほっぺをムニムニ…
「李那。」
「ん?」
「腹減ったら言えよ。」
「大丈夫だよ?」
別にお腹空いてないし。
食べようと思えば食べれるだけであって、お腹は空いてないもん。

「ー…李那先輩!お邪魔しました。ありがとうございました!」
「裕先輩、美味しかったです。ありがとうございました!」
一番最初に帰宅して行ったのは椿と桜。
厳しいおうちだからかな。
「…また来てね。」
「いつでも来いよ〜」
「「はい!」」
椿と桜は笑顔で手を振ってまだ明るいうちに帰って行った。
「おーい、李那〜」
「なんだなんだ。」
私は裕くんに車椅子を押してもらい、リビングに戻る。
「凄いぞ、食べると伸びるんだ。」
…食べると伸びる?
ああ。そういうことか。
「そりゃチーズだからね。」
チーズだもん、伸びて当然でしょ。
バカなのか蒼空。
「李那、これ李那の分って言って蒼空が焼いてた。」
…蒼空が焼いたの?
「…」
恐る恐る口に運ぶ。
なんか異様に大きい気がする。
ん?
あれ?
おおお…
そりゃ大きいわ。
タコとウィンナー、チーズが全て入ってる。
これひっくり返すの大変だったろうなあ…