「李那、ありがとう。」
海澪が幸せそうに笑ってるからいい。
海澪が幸せじゃなかったら絶対に許さないんだからね。秀一。
「李那ちゃん。海澪取っちゃってごめんね。」
「…」
「李那、ごめん。」
…何よふたりして〜…
「いいもん、人妻になるまで遊んでもらうもん。」
「…李那、人妻呼び辞めて恥ずかしい。」
ゆでダコみたいに真っ赤な海澪。
可愛いなあ〜♪
「おっす、李那。」
「お、蒼空、裕くん。」
コンビニの袋をぶら下げた蒼空と風呂上がりなのかちょっと髪が濡れてる裕くん。
…うん、風呂上がりだね。
だって髪濡れてるし、格好が、ね?
海澪達いるのにスウェットだよ?
完全なるオフモードだね。
「ぱあぱあー!」
一生懸命ハイハイしてる我が子。
裕くんに抱きかかえて貰ってる。
「李那、お土産。」
中身見えてるお土産とか、初めてもらったかも。
「なになに、ポテチか。」
「贅沢言うな。金欠の俺にはこれでいっぱいいっぱい。」
…そう言えば蒼空の進路ってどうなってるんだろう。
「蒼空?」
「ん?」
秀一が買ってきたアイスを選びながら蒼空はちらりとこちらを見る。
「進路、どうなってるの?」
まあ、蒼空は普通に賢いからそこそこの大学行くのかな?
「俺?あれ、言ってなかったか?海澪と同じところ行くぞ。」
…きーいーてーなーいー…
初めて聞いたわ…
「沙良と茉希も同じだぞ。」
沙良達まで?
受かったんだねぇ、良かった良かった。
「大学では彼女作れるように頑張ろうかな。」
うーん、と伸びをして私を見たことは気にしない。
私をちらりと見たことなんて気にしてない。
…冗談の目じゃなかったもん。
「裕さんは、介護の方行くんですよね?」
「そう、みんなより早く決まったぞ。」
「「お邪魔しまーす」」
きたきた。
沙良と茉希。
今日は全員集合なんだよね。
お母さん達もいないからウチでたこ焼きパーティーすることになったの。
まさか私の家でやるとは思ってなかったけどね…
美那も今は陸上の合宿でいないし、お父さんは出張だし、お母さんはそれについて行ってるし。
今家には私と叶夢だけなのだ。
って時にたこ焼きパーティーすることに決まった。
まだあと2人来るんだけどね。
私が呼びたいって言ったら全員一致でOKくれたんだ。
ーピンポーン
…礼儀正しいなあ、相変わらず。
「裕くん、上げてきて。」
「うん。」
あの子らは礼儀正しい子達だからねえ。
「李那先輩!お久しぶりです!」
「お邪魔します!」
椿と桜。
全員集合ならここまで呼ばないとね。
…ちょっと狭いけど気にしたら負けだ。