今日だって一緒に来たけどさあ…
世莉香間に入れてしまってたし…
今はコンビニ行ってるから話せるだけだもん。
2人になったら何話せばいいのか分からなくなる…
「海澪恋してるねえ〜」
「ほんとほんと。」
世莉香と李那が腕を組んでウンウン唸ってる。
…あのお、こちらは真剣に悩んでるんですけど!
「私はね、海澪。そのままでいいと思うよ?
確かに返事も大事だけどさ、それはまあ卒業式の時でもいいじゃん。」
そのまま…
いつも私どんな顔して会ってたっけ…
もう、意識しすぎて無理な気がする…
「海澪の中でもう答え決まってるんでしょ?」
痛いところ付かないで…
「そうだよ!私は秀一のお嫁さんになりたいよ!」
「だってさ秀一。」
「えぇ?!」
秀一?!
まさか…
聞いてたのお?!
立ち聞きとはなんて趣味の悪い…
「…いや、あの…
入るタイミング逃して…」
やだあ、恥ずかしい…
ジャージで顔を隠す秀一。
耳見えてる…
真っ赤じゃん…
「海澪顔赤すぎ…」
「人の事言えないじゃん!」
秀一が赤くなるなんてレアすぎる。
いつも澄ました顔してるくせに…
「海澪の本心聞けてよかった。」
「…え?」
「いや、渋ってたからさ。」
…私、別に渋ってなんか…
「俺と一緒になるのが嫌なのかと思ってた。」
「嫌なわけない!」
だって、秀一のこと、ちゃんと好きだもん。
…確かに最初は蒼空の代わりにしてたけど…
柊秀一本人に惚れてしまったんだからしょうがないじゃない。
こんなに好きになるなんて聞いてないし!
「私の何を見てたのよ!」
「いや、なんか返事渋ってたから…」
「嬉しすぎて直ぐに答えられなかったってことに気づけ!!」
恥ずかしすぎておかしくなりそうだ。
自分で言った言葉に赤くなってしまう。
【古川海澪side END】

【如月李那side】
…いやあ、目の前で青春してるのいますわ。
「良かったね、海澪。」
「秀一、私の海澪取るんだからちゃんと幸せにしなさいよ。」
海澪は私の大事な友達だから幸せにしないと許さない。
「李那ちゃん。
それ膨れっ面で言うことか?」
秀一は苦笑する。
…だって嫌なんだもん。
海澪は私の友達だから。
…人妻になるのかあ…
…やだなあ…むう…
「李那、祝福してあげよ?」
「式には呼ぶからよ。」
世莉香まで秀一の味方だとは…
畜生。私の海澪を返せ。
「…当たり前じゃん。
海澪のハレの日に私が行かないわけないじゃん。」
私は海澪大好きだもん。