そしてしばらくすると
静かに病室のドアが開く
「あ、どうも、花沢さんこんにちは」
ニコニコとしたおじさんが入ってきた
おじさんとか言っちゃダメか
白衣を来ているからきっと病院の先生だ
「深津先生、いつもありがとうございます」
まゆのお母さんが立ち上がりその先生に深く頭を下げる
深津先生って名前なのか
「いいんですよ
それよりまゆちゃんなんですけど
あ、どうぞどうぞ、お掛けになってください」
先生は椅子の方に手のひらを差し出し
まゆのお母さんは座る
まゆのお母さんも真剣な表情で先生を見つめる
深津先生もそれと負けないくらい真剣な顔つきで
「まゆちゃんは、心筋炎です」
「……心筋炎ですか」
まゆの病名が知らされた
「でも、安心してください軽症ですので命に別状は全くありません
しかし、これが劇症してしまうと
心不全やその他の不整脈で亡くなるケースも稀ではないですね」
劇症ってなんなんだ?
よくわからないまま話は進んでいく
亡くなるケースも稀ではない…
そんな言葉を聞くと今の心筋炎も含めて
先天性心神経っていう病気なんだって改めてわかった



