小学生の頃、一目惚れした。ある男の子に。
その子は身長が大きくて、運動ができて、頭がよかった。つまり、モテていた。

 その頃の私は告白する、付き合うということに意味を感じていなかった。小学生で付き合ったって何かできるわけでもないのに、と思っていた。

そして密かに決めていた。中一のバレンタインでチョコを渡そうと。その時に告白しようと。

中学に上がると、偶然その人と同じクラスになった。これはチャンスっと思った私。しかし、現実はなかなかに非情だった。同じクラスの女の子と付き合い始めたのだ。

私は結局チョコレートを渡すこともなく告白することもなく、恋に幕を閉じた。

私の親は仲が良くない。だから、結婚にいいイメージを持っていなかった。そして自分は結婚できないと思った。もう、誰にも惚れないだろうと思ったからだ。

そう思って高校に入学。私の青春に恋なんかないと思ってた。