バーバル

しばらくして

おじさんは

あたしから唇を離すと言った。



「満足?」


「うん、ありがとう。

これでしばらくがんばれる。」



そしてあたし達はさよならした。

それぞれの家のほうへ歩き出した。



振り向くときふと


彼の煙草の匂いがした気がして、


なぜかまた涙があふれた。




「バカなことしちゃったな」







あたしは、




おじさんのと同じ銘柄の




煙草を買って帰った。