バーバル

「警戒しないで。

別におじさんからお金をとろうとか、

そんなこと企んでないから。」




そういって

彼女は手に持っていた学生カバンを

僕に手渡した。



「ほら、もう武器はないよ。」



彼女はクスクスと笑いながら、

真っピンクの携帯を僕に投げてよこした。

「イマドキの女子高生」にはめずらしく、

ストラップなどの装飾品は

ひとつもついていなかった。






彼女の持ち物はお金の入った封筒だけになった。