「ーーーひっ、」
後ろから俺が口元を。
深くフードを被った夕夜が対象の目の前に。押されて俺の方へ押される対象を受け止めながら、俺も夕夜の方へ押し返す。
叫ぶ暇もないくらい。
叫ぶために呼吸を吸い込んだが最後。
ずるずると地面に吸い込まれるように落ちて行く対象に、
押さえていた力を緩めれば呆気なく崩れ落ちた。
夕夜がふーっと息を吐き出したのを見る。
「…帰りましょうか」
「あぁ。落とすか」
見せなければいけないのは転落死。
「音、大丈夫ですかねぇ?結構響きますけど」
上へと続く階段を見上げながら優夜がぽつり呟く。
「大丈夫だろ。すぐ逃げれば」
そう言いながら対象を再度立ち上がらせる。
「重た…なんでさっき手、離したんですか」
そのまま支えてくれてれば
落とすだけでよかったのに。
「支えるのきつかったんだもん」
「だもん、とか言わないでくださいきもちわるい」
「おい」
力尽きた対象者はただの重り。
ぽんっと前へ押し手を離せば、転がり落ちて行く。
と、同時に階段を駆け下り、跡にする。
「完了、っと」
「車もちょうどいい時間で戻ってくるところですね」
「さすが優秀~~」
さ、これで帰れる。
寝て、起きてまた学校だな…と思っていたのだけど。



