--Reversible--




どうやら


渡り廊下となっていて隣の病棟へと移るらしい。



…渡り廊下の先を見据える。

物音一つせず、人の気配もない。

夜だということが桜夜を大胆にさせる。

歩みを進める桜夜の頭に、もう冬夜のことは無かった。


何かに吸い寄せられるかのように静かにゆっくりと歩みを進める。




どうせ見つかっても

夜中に徘徊してるだけで注意で終わるだろう。


そんなことすら呑気に思った。

どうやら渡った先の病棟は

リハビリ病棟だったらしい。

人もおらず、


廊下から見える部屋の中はよくわからない器具と、




低いベットが複数並び、



窓際にはジムのような筋トレのマシンが並んでいた。


人がいないことで警戒心が緩む。






また歩けば、自販機とトイレ、そして売店があった。


網がかけられており、入れなくなっている。


これが病院か。





匂いは付き添ってついて行ったことのある診療所と同じ匂いがすると思った。



あまりこの匂いは好きではない。




携帯の時計を確認すれば、23時を回った所だ。


そろそろここを出て冬夜達を探した方がいい。こちらの先にも階段がある。戻ってさっきと同じルートで外へ出るか、こちらから下へ降りるか。


少し考える。安全なのは一度通った向こうだろう。



出口にも近い。


が、ナースステーションから看護師がでてくれば、


障害物のない廊下に、いる私にすぐ気づくだろう。





こちらは人がいない。出口がどこへあるのか分からないが一階に降りれば必ず出口はあるはずだ。



もう少しいくか、どうするか。

表情一つ変えず、



桜夜は歩みを進めてこちら側の非常階段へと向かう。




扉の前まで来て、とってに手をかける。



重たい扉で、向こうに人はいないだろうが警戒を解くことはできない。



微かに開けて、向こう側の様子を伺う。……冬夜がいつもいっていた。警戒しているようでできていないと。

いつになっても、どこか、綻んでいる。詰めが甘いと。



それを補充するために綻びが完全に綻んでしまう前に


どうにかするためにいつも自分が付き添っているのだと。




何を偉そうに、と思っていたけどそれは正しかったらしい。




「-----!」


ガッと体に回る感覚。