--Reversible--




・22:18・



夕夜と冬夜の話し声が聞こえなくなったと思えば、がちゃんと玄関の扉が閉まる音が聞こえた。その音を合図に、布団から起き上がる。既に服は仕事用に着替えてある。


部屋からしん、としたリビングへとでてそのままカーテンの隙間から窓の外を見れば、


見慣れた車が横付けされ、発進していった。


…二人を乗せて付属病院へと向かったのだろう。





それを、確認してから家を後にする。




大通りに出てタクシーを止めてから


付属病院へ行くように伝えると、



急患だと思ったらしい。


心配そうなかおでバックミラー越しに顔を見られ


「具合が悪いんですか?」と聞かれ頷いた。




シートに体を沈め頭も窓枠に寄せれば具合が悪いと言ってる手前


喋らせないように気を使ったのだろう。




ラジオの音が小さくなり運転手が話しかけてくることもなかった。




…自分でもどうしてこんなことをしているのだろうと思う。



冬夜の仕事ぶりを見て見たいと思ったのだ。

社会勉強で連れて行ってくれると言ったが






仕事が伴えば連れて行ってくれるはずはない。



この先私は冬夜と夕夜にばれないように仕事を見届け、




2人より先にまた戻ってこなければならない。


2人はどこから病院に入ったか分からないが、




タクシーは夜間急患診療入口のある玄関の前で止めてくれた。

お金を払い、車から降りる。


待ってようか?と親切に言われたが、首を振ればタクシーはUターンをして去って行った。


大きな建物を眺める。外観は何度も見たことがあるがかなり大きい。


冬夜達を見失わないように尾行して行けば良かったと思う。



これではどこで仕事を行っているかわからない。…が、外で喫煙ということはこの辺りなのだろう。




病院の周囲を歩いていれば気づくか。そう思って歩き出そうとして、ふと入り口を見る。




ガラスの自動ドアの先は廊下が続いている。

入ってすぐ受付というわけではないようだ。フードを被って、顔を隠す

監視カメラに写ってもおかしくないように、お腹を押さえて自動ドアをくぐった。