ふいに冬夜が言う。
それなら私の仕事の時のように傍観者として
仕事に連れて行ってくれればいいのに。
「いや、いい」
ここで素直じゃないのが桜夜だ。自分だけ知らないことが嫌なはずなのに
手を差し伸ばされれば気にしてない風を装う。それを知っている冬夜はくすと笑いながらそっか、と声を漏らす。
「まぁ入院費用や面倒話や見たくない家族からの殺してくれ依頼だから面白くもなんともないし。その分俺の寿命は伸びるからいいけど」
「…そう」
「家族も取った命は延命じゃなく金に変えてるしな」
家族に売られる、とはどういう気持ちなのだろう。
聞いてみたいな。本人は知らないだろうけど。
家族に邪魔者扱いされ、
高額な入院費、介護などを嫌い殺してくれと依頼してくる。
血を分けた家族が、だ。
「あ」
思い出したかのように冬夜が桜夜を見る。
「明日だけ。夜いないから」
「びょーいん?」
「そ。付属病院」
「夜に?」



