--Reversible--





【CACE:2】



「…最近仕事は?」



「帰る時にやってる」






最後にあの会社員の寿命を抜いてからパタリと仕事が回ってこなくなった。







正確には桜夜に、だけだが。



何日経っただろうか。ぼんやりとあれはいつだったかな…と

日付を思い出そうとするも、思い出せない。


ただ、あのビルの屋上で見た月は明るく満月に近かった。


だが今窓から見える月は半分に欠けて、




もうすぐ新月になるだろう。





1番仕事がしやすくなる時期だが…。こんなにも仕事が空くことは珍しい。

基本、仕事が無いなどと思う暇がない頻度で仕事は回ってくる。





それなのに。





なかなか仕事の依頼の書類が来ないとなると。





意図的に止めている、としか思えない。




冬夜を疑い、




お風呂上がりで就寝準備をする冬夜にリビングで聞いてみた。




当たり前のように答えてきた内容にもわずかに不信感を覚えたが、


やはり冬夜には変わらず依頼は舞い込んできているらしい。

「夕夜は?」

冬夜と入れ替わるようにバスルームへと消えて行った夕夜。





彼は仕事をしているのだろうか。





「夕夜は調査」

「何の」

「さぁ」



ぽすんとソファーに身体を沈めた冬夜は片手でタオルで頭を拭きながらもう片方はスマホを操っている。