--Reversible--



そして、あの頃と同じように。




人間と思っていないような扱い、乱暴さでひっぱられて室内へと案内される。



迷路のような施設内。


内部構造を暗記しようにも無理やり引っ張られそんな暇さえないまま、エレベーターに乗せられる。




エレベーターはボタンが隠れている様式で、何階のボタンを押したのか、




今エレベーターが何階付近にいるのかさえ表示するパネルもなく。





ただ感じる浮遊感だけで、高い階だということは分かった。



ちらり、と隣にいる女を見れば。



相変わらずの無表情だか、微かに強張ってみえる。


何緊張してるんだよ。


怖いのは訳も分からず呼び出されて寝起きのままここへ連れて来られたこっちだ。

呆れながらも、エレベーターが開き、上質な絨毯が敷かれた廊下を歩く。





フロアにはドアが一つしかなかった。



隣にいたこの施設の人間が控えめにドアをノックすると、

すぐにドアは勢いよく開いた。

「長…」


ドアを開いて俺達を出迎えたのは長。和成の属する白命を統べる人。




和成の顔を見た長は、


皺の刻まれたその顔でゆっくりとほほ笑み、入りなさいと促す。



その顔に少しだけ安心した後、



部屋へと踏み入れば長の肩越しに見える男。

長と違い、笑みなど知らないロボットのような無表情の視線を投げつけてくる男。




見た目だけならいつも仕事をしているどっかの偉そうな社長と変わらないな…と思う。






「さ、そろいましたね」



長に肩をもたれる。



そのまま協会長の机の前に並び、頭を下げ一礼する。




「…呼び出した件に心当たりはあるか?」



淡々と。