「時間、大丈夫ですか?」 「あっ、あ…」 「行こうか。また頼むよ」 ぽんっと肩を叩かれ、出ていく背中。 「―――喜んで」 パタン、と閉まるドア。途端に、抜ける肩の力。 「もう帰っていい?」 「今日の仕事は以上です。車は下にもう着いています」 「知ってる。…じゃ」 持ってきた荷物を手に女の方に視線を向けずに部屋を出た。