「葵、やっぱり保健室に…」 「洸」 「ん?」 私はそっと、洸の顔を見る。 心配そうにこちらを見ている洸は、小学校の時に転んで大泣きした私を前にオロオロしていた洸となにも変わらない。 「洸は」 『だって、洸先輩はっ…』 「東京の大学に行くの?」 洸は、少しだけ目を見開いて、でもすぐにいつもの笑顔に戻る。 馬鹿なこと言ってるって、また、笑い飛ばされるのかもしれない。 そんな私の脆い祈りは、すぐに崩された。 「そうだよ」 洸は、なんてことなく、頷いた。