これ、 嫌だなあ。 そう……もう嫌で、この嫌が嫌で、いい加減、嫌じゃなくなりたいから…… あ、ここで…… ばらばらに散るように離れていた五感が揃って戻った。 フォークやスプーンが食器に当たる音。ワインがグラスを舐める音。笑い声。 この瀟洒なイタリアンレストラン。二人だけのテーブルが非対称に並ぶ店内。香ばしいガーリックとオニオンの匂い。 思い出した。