「どうやら、俺と柳楽さんは互いの相手に思ったこと感じたことを素直にぶつけられない性格なのかもしれない」



「そんなこと……」



ない、とは言い切れない。いや、言えない。見事に正解だった。



私の性分として、断れない反論しない争わない、という部分がある。それが周囲、特に同姓の間で不快に思われた事象が多々あった。



気取っている、とか、裏の顔、とか、色々思われた。



すると、時々私に強い発言があると相手は戸惑う。おとなしい人が喧嘩に応じた時の周囲の戸惑い、そんな感じだ。それがまた、人を遠ざける。人付き合いが上手じゃないのは思春期の頃から重々承知している。



本音……そういえば、私、いつも、気持ちを洗いざらい人に、親を含めて、話したこと、なかったな。



「駄目?」



「私ってそんな風に見えます?」



「何かね、その、レストランでの限りだけど、相手にすっげえ気を使って怒ってたように見えた」



「……」



この人、もしかしたら……