愛されない結婚と愛される不倫







愛されていなければそれはそれで諦めは早いのだけれど、愛されている、つまり相思相愛を確信したら……これは不倫常習犯の特徴なのか、それでも構わないと思ってしまう。



もちろん、後にも先にも相手の伴侶を奪うとか、お金をせびるとか家庭を壊すとか血生臭くする予定もない。純粋に愛されている悦びを堪能しようと思っている。



欲しいわけではない。奪うつもりもない。独占できない日が多くてもそれはそれで構わない。ただ、愛されている状態を一秒でも長く味わっていたいだけ。



流川達哉さんとは所謂、職場の先輩後輩という間柄だ。先端を走ろうというIT子会社らしく上司という表現は使わない仕来たりを看板にしてはいるものの、実質、上司と部下だ。プログラマーとデザイナーの関係にそれは当てはまるのかはわからないが、ある種、新婚夫婦にも似た会話が日常になっていた。

 

肩に触れられ、マウスの手を掴まれ……



今回ばかりは自分のきめごと、ルールを守ることが難しくなっていた。



要するに独占したくなった。



これは自分でも驚いている。