本当に、全部、探求心からくる行為なんですね。
改めてそう感じたそれに今までの熱が全て無駄だと言われたようで。
安心すると同時になんだか複雑な物が入り混じる。
いや、決して雛華さんが意識しての行為であってほしかったわけじゃないし、私が雛華さんにそう言う感情を抱いているわけじゃない。
それでも、
それでもあの一瞬は酷く女心をくすぐる瞬間でもあって。
ときめいたそれが不完全燃焼になってしまったのにモヤモヤしているんだ。
あれ?結局私は雛華さんが私を女としてあんな事をしたのではないのにショックだったのだろうか?
突っ伏してしばらくそんな考えにふけっていれば、私が具合が悪くてそうしてると勘違いしている雛華さんがオロオロと声を響かせる。
「ちょ、ねぇ、芹ちゃん?大丈夫?芹ちゃん芹ちゃん芹ちゃん?」
「ぶっ・・・」
しまった・・・思わず噴いてしまった。
そうして堪え切れなかったそれは小刻みに私の体を揺らしてしまう。
必死で押さえこむ声も、くっくっくっと時々漏れて、もうこれは誤魔化しきれないと思った瞬間に塞き止めていたそれを解放した。
「ふっははっ、ははははは、」
「っ・・・芹ちゃん?」
「・ふ、ふふ・・・す、すみませ・・・だって・・・・」
「うん?」
「雛華さん・・・可愛__」
思わず言いかけて口を閉ざした。
それは些細な危険予測で、それをした後に「ああ、この人には必要なかった」とどこかで思った。
この危険予測はもう1人のグリーンアイの人に対してだ。
急に冷静になってしまった感情が今までの笑いを掻き消して、それでも男の人にその言葉は失礼だったかと体を起こしてまっすぐに対面すると口を開く。
「・・・・すみません」
「ん?うん、うん?」
何のことか分からないといった感じに困惑している彼に口の端だけを僅かにあげる。
困惑する姿に彼を重ねることが無いからただ安堵して、一息ゆっくりと吐くと優しく作用するグリーンアイを見つめた。
「えっと、まず・・・私は元気です。具合とか悪くないです」
「あ、よかったぁ。凄く熱かったし心配だったんだ」
そう言って安堵の笑みを向ける彼に僅かに心臓が反応した。



