ちょっ・・・えっ?
これは・・・・自意識過剰な事だろうか?
明らかに故意にされている行為なのに確信が持てなかったのは相手が雛華さんだから。
だって、雛華さんは私が知る限りはそう言った行為に興味を持ち得ていない人で。
だからこそ抱きしめられたり手を繋いでいても馬鹿みたいに過剰反応せずに流せたというのに。
だけども今までのそれを上回るこの行為は無邪気に治めるには僅かに扇情的な物が孕んでいる。
変な動悸で心臓が暴れ続け、それでも上手く反応できずに硬直していれば、とうとう密着するで留まらなかったそれが軽く首筋をついばんできた。
その瞬間に思わずその胸を押し返し、驚きのまま見つめた顔は同じように驚愕の物だった。
「・・・っ・・・あの、・・・首・・」
対峙する表情に驚きの上乗せ。
困惑するままになんとか示したい事柄を単語で口にすれば、驚きに揺れていたグリーンが落ち着いてようやく雛華さんの声が響く。
「・・・ごめん」
「・・・・いえ、」
「なんか・・・・抱きしめてたら視界に入って・・・」
「・・・はい、」
「視界に入ったら・・・細くて白いなって・・・」
「・・はい」
「白いなって思ったら・・・・なんかマシュマロ思いだして」
「・・・・・・・はい?」
一瞬にしてドキドキしていた感情が飛びましたけど。
予想だにしない、脳裏にその一文字も掠らない事を何故か躊躇いながら言われている私の心理。
?マークがいっぱいですけど。
雛華さんの唇が触れていた個所を押さえながら、今まさに解読不能の言葉を告げた彼を見つめてしまう。
彼と言えば何だかどこか気恥ずかしそうにそれを告げて、表情は照れているのか困っているのか。
「マ、マシュマロ?」
思わず聞き間違いではないかとその言葉を口にすれば、躊躇いなく頷く目の前の姿。
子供の様に動作で示すそれが何だか可愛らしくて僅かにキュンとする。
キュンとするけどもそうじゃなくて・・・、
「なんか・・・・美味しそうだと思って」
響いたのは雛華さんの声。
その言葉の意味する所は・・・・私は食べ物なんでしょうか?



