学園祭まであと6日。
今日は土曜日だが、準備のために学校へ来ている。



「あの男は誰だったのかな?!」
礼也は言った。



昨日クラスで沢田少年から話を聞いたのだ。



「もしかして…礼也君の勘違いだったり?」
勇美が上から目線で言う。


「うそ!!!ないない!だって、言っちゃ悪いけどラブラブだったよ~」


「うーん………あ。」
礼也は窓の外を見た。


「ああああれ、あれだよ勇美ちゃん!!!」

その指の先を見ると、仲良さげに歩く男女の姿が。




「うっそ!!!ホントなんだ?!」


勇美の声が大きかったせいか、クラスの人々は礼也と勇美の方へ集まり始める。




「あれ……沢田の好きなお姉さまじゃん!!!」


「え、やばいでしょそれ」


「勇希どこだよ?!」



騒がしくなってきたところに、テープや道具を買ってきた沢田少年が現れた。




「あっちゃー」

ベタな一言が漏れる。