「お前いつもさー、強がってっけど俺にしてみればただの蟻な訳。痛くもかゆくもならねえ」 は……? 「ちょっとは俺を頼れって言いたいわけね」 トラックの奥にいた沙也が、少し大きな声で、独り言のように言った。 奈知は恥ずかしそうにむこうを向いてる。 「そう言いたかったの?」 「………おう」 すると奈知はあたしを立たせた。 「ごめん」 「謝んな」 奈知がそう言った瞬間、あたしの体が中に浮いた。 「わっ!!!」