「そっか、今一人暮らししてるって言ってたもんね」
両親が今あそこだし……
普通は私立なんか無理か。
「特待生は学費免除だからね。あ、もしもし早人?」
いきなり高島君に電話しだす沙也。
「ちょっ、沙也!何考えてんのっ」
ケータイを奪おうとするけど、沙也の怪力ぶりには驚いた。
沙也のケータイに耳を近付けると、高島君の声が聞こえる。
『奈知なら隣に居るぞ』
てか何で二人共ケータイ持ってる訳!?
教室置いてくるでしょ普通…
体育大会やる気ゼロじゃん!!!
『かわろっか?』
「うん代わっ−」
「いいえ!遠慮します!!!」
とっさにあたしは沙也のケータイを奪い高島君に言った。



