翌日。さっそく『リサーチしてきた』という沙也の話を聞く。



「んー…。奈知雅弥16歳。特に趣味ナシ。性格・自己中。つーかどS?」



「沙也、あたしもそれくらい知ってるから」

もっとあたし達が知らないことリサーチしてよ……。



「あ、あったあった。今の勇美にあんま喋りたくないけどさ、中学の時かなりモテてたでしょ?あいつ。何人にも告られたりしてたけど、実はいたの、彼女」




「えっほんと?!」

思わず大声で叫んでしまった。


「ちょっ、奈知も教室居るんだから静かにしてよ」


「はーい。でも、彼女いたの?」


「そりゃいるでしょー何人も(笑)」


沙也のその顔、冗談に見えない……。



「でもね、いろいろあったっぽいよ。あたしも会ったことはないけど。その彼女と別れてからだね、東でヤバくなっていったのは」



「そっかあ。でも、その彼女がなんかあんの?」

うん。あたしには何にもわからない。



「それで奈知はテキトー人間?性格難アリ?になったって訳でしょ。まあ母親のために今は頑張ってるらしいけど」



「はあ」

それがオトすのに関係あんの?進展すんの?



「だから、その彼女をなんとかしないと奈知は次の恋には進めないの!」


沙也はあたしに向かって強く言った。
そう、強く。