「だから、あのー…おめでとう」
少し照れ臭そうに言った奈知は、そう言うと清々しいくらい晴れた真昼の空を指差した。
「?」
ブオーーン…
小さくてわからないけど、多分飛行機だ。
「何する訳!?」
「まあ見とけって」
奈知は微笑んだ。
なんなのよ!!!
微笑まれたらあたし死んじゃうの分かってんですか!!!
あたしは一人、心のなかで少しキレながら空を見ていた。すると、
『ユウミ、HAPPY BIRTHDAY』
飛行機が通ると雲の形が変わった。
それはあたしへのメッセージ…?
「皆で相談したんだ。愛川の16歳の誕生日に何か残せないかなって」
「それマジで言ってんの!?これ本当なの?現実!?メイ島の奇跡!?」
「ふっ。全部現実だけど」
うそ−−−
あたしは、これまでにないくらい、でっかい声で言ってやった。
「皆ありがとーーー!!!!!」



