夜7時過ぎ。
あたしは遠足(宿泊学習)で泊まる小さいホテルのテレビのど真ん中に居た。
「沙也。言いたいことがあります」
部屋は沙也との相部屋。
けっこう古そうだけど、ちゃんとキレイなホテル。
「なにー?テレビ見れないじゃん」
沙也がぶうぶう文句を言う。
「テレビはどうでもいい!」
あたしは大声で言った。
気持ちをすっきりさせるために。
「……。じゃあ言いたいことって?」
沙也が諦めて言った。
「ビーチのときはごめんね」
「うん」
「あたし、なんかイライラしてた」
「うん」
「多分だけど………。あたし奈知が好きっぽい」
…………。



