「はー。」
なんで遠足に来てまでこんなに悩まなくちゃいけないんだろう。
皆英語ペラペラだし。
皆勝手だし。
あたしはどうすればいいのよ?!
「なに悩んでんねんー勇美~」
気づかってか、勇希があたしの方へ来た。
「悩んでないし」
ぶっきらぼうに答える。
「俺がなあ、なんでこんなバカかわかるか?」
ふいに勇希が言った。
「元から馬鹿だから」
あたしはすぐ答える。
「うっわひど!!!まあそれもあるな~。でもな、前向きに馬鹿してた方が楽しいやろ?」
勇希はあたしの目を見て言った。
「周りにはいろんな人がおって、いろんな意見持ってるやろ?オレは何事も前向きにやろうて決めたんや。それと正直にな。バカ正直で何が悪いん?暗ーく皆の悪口グチグチ言ってる奴とどっちが楽しい人生送れると思う?」
断然………
「バカ。」
「やろ?勇美もバカな素質持っとんねんから大丈夫やってー」
「…ありがと。でも素質って……」
「へ?なんも言ってないで?じゃあオレはまた泳いでくるわ。もうそろそろ違うとこ行くみたいやしな」
そう言って勇希はまた海へと走って行った。
「前向きに馬鹿。か……」



