黒田くんが女の子を避けてるなんてきっと噂よ。

現に私にはたくさん喋りかけてくる。




「さてと帰りますか」

「うん!そうだね〜!」

駅で、しおりと別れてから改札口を通って、電車を待つ。

電車を待ってる間にしおりの言葉を思い出した。

駅で別れる所で《これから楽しみだね》と

何が?と答えると《黒田くんとの進展が!》と、キラキラな目で言われた。

しおりは私と黒田くんが恋仲になると思ってるみたい。

恋愛ドラマの見過ぎだ、あれは...

友達になって2日目。

ましては噂で女子を避けている。

それが事実なら恋仲はないだろう。

しおりったら早とちりなんだから...。

しおりらしいけど...

「白井」

「はい?」

突然呼ばれた名前につい反応してしまった。

「黒田くん?」

「よ。」

「よ。じゃないわよ、いきなり呼ばないで」

「なんだよ...相変わらず冷たいな」

やっぱり...女子を避けてるようには見えないよ...。

噂かな。

でも...ふとこんな事も思い出した。

しおりがもしかしたら葵ちゃんだけには喋れるのかな?

そんな事まで思い出してしまった。

変にドキドキしてきた。

私だけ...

私の態度は冷たいかもしれない。

素っ気ないかもしれない。

だけど私だって女の子...

私だけに話してるかも...なんて思ったら変に意識だってする。

私らしくないな...

真実はどうなんだろう。

「おい、電車きたけど乗らないの?」

「ふあっっ」

びっくりした...。

考え事してたら私の視界に突然黒田くんの顔が...

「だからっ!いきなり出てこないでよ!」

「ごめん...とゆうか...乗らねえの?」

「行く!」

帰宅ラッシュが過ぎたのか電車は空いている。

椅子に座ると黒田くんも隣に座ってきた。

「椅子たくさん空いてるじゃない」

「いいじゃん。ここに座りたいんだよ」

「何よ...それ...」

ますます意識しちゃうじゃない。

何なのよ...

気になる...あの事

女の子を避けてるって言うのは本当なのかな?

「ねえ、黒田くん」

「うん?」

何て言ったらいいのかな...

真実を知りたいって気持ちが先走って、言葉をまとめてなかった。

「なんだよ?険しい顔して」

「険しい顔なんてしてない!」

私ってばすぐ突っかかるんだから...

喧嘩したい訳じゃない

言い合いをしたい訳でもない

ただ、知りたいだけなのに。