言えるわけないし。

ほんとに。

俺が、後輩に振り回されてるとか柄じゃねぇわ。




「先輩が教えてくれないんだったら。。。



わ、わたしも教えません!」




......へぇ〜。 告白で昼断ったくせに。



後輩のくせに生意気だね。



俺はジリジリと南に距離を詰める。



後ずさってるけど......逃がさねぇよ。




「そんなこと、俺に言っていいんだ?」




南を見てると、なんかいじめたくなる。いや、いじわるしたくなるっていうか......。


俺は、言葉と共に口角をあげてしまう。



目の前には、俺に負けた南が首を必死に振っている。




......ははっ、単純すぎ。





俺は、頭をポンポンしながら、「そうだよな」
と南の小さな耳に分かるように囁いた。










*










──次の日。




あまりいい睡眠ができなかった。



その理由は、聞かなくてもわかると思うけど。


そのせいで、寝坊したし......。



いつもは、余裕をもって家を出るようにしてるけど、今日は案の定ギリギリだ。



朝ご飯を食べる余裕もなくて、制服に着替えて家を出る。