ほんと、何に叫んでるんだよ。
あぁ、もう早く来いよ。
そんなこと考えていると......上靴からローファーに履き替えている南の後ろ姿が見えた。
俺を取り囲んでいる人集りを抜けて、靴箱に足を向ける。
そして、肩を優しく叩く。
南は、振り返ったと同時に、
「......ええぇぇ!?
早瀬先輩!?」
大きな声で叫んだ。
声は大きいけど、ちょっと前の不快な叫び声とは違う。
まぁ、俺から呼んだって言うのもあるけど......。
「......よ」
「な、なななななななんで......ここに居るんですか?」
......ぷっ。
さすがに噛みすぎだろ。
そんなに噛んでるやつ見たことねぇわ。
まぁ、そんなとこが......。
「お前が、居たから」
ほんとは、待ってたなんて言えるわけねぇ......。
気持ち悪いとか思われそうだし。
「さ、左様でございますか......」
いや、ほんと驚きすぎ。
「左様でございますかってなんだよそれ......」
日本語おかしくなってんじゃん。

