「いいよって言ったけど。」
もっと、色んな顔みたいって思ったしね。
「ほ、ほんとですか」
まだ、信じてないのかよ。
ほんと、どれだけ可能性ないって思ってたんだよ。
「うん。ほんとだよ」
俺の言葉にやっと、現実に戻ったような彼女。
てか、俺の横に南と同じぐらい、いや、それ以上に驚いてるやついんだけど......。
まぁ、驚いてる理由はすぐ分かるけど。
「夏輝、そういうことになったから」
俺は、昼飯とか放課後遊ぶのに誘われても、一切承諾しないしな。
俺も正直びっくりしてるし。
「あ、あぁ」
この男に今すぐしつこく問われそうだから、
「行くぞ」
って足をすぐ屋上に進める。
「はい!」
今日一、嬉しそうな笑顔と声。
「あの、朔がねぇ......」
ふたりの背中をニヤりと見つめながら......そう呟いていた夏輝には気づいてなかった。

