「ちゃんと理由教えてくれるまで帰さないから......」
......わたしバカだから、本当に勘違いしちゃいそうになる。
てっきり、先輩はわたしなんかもう忘れたなんて思ってたのに。
もういっそのこと、その方がまだ諦めついたかもしれないのに......。
そんなことされたら、余計朔先輩のこと忘れられなくなるじゃないですか。
ほぼ100%の確率で彼女がいるのも分かってる。
今よりもっと傷つくこと分かってるのに。
......今も、"好き"が増えている自分がいる。
「......南」
わたしのことを呼ぶその声が大好きな自分いる。
「教えて......?」
......ズルいです。
わたしとは、違う意味でズルい。
さっきまで、怒ってた顔してたのに。
また、あの顔で私のことを見てくる。
「......先輩、ズルいです」
......もう、降参ですよ。
今言っても、1週間後だとしても結局わたしの答えは変わらないと思う。
......"好き"その思いは消えない気がする。
そして、あの出来事も今聞いても、1週間後聞いたとしても変わらない。

