「なに、ニヤけてんの?」
少し引き気味の顔で先輩が言う。
わたし、顔にでてた!?
冷静をたもててなかったの!?
本日2度目のオーマイガー。
「ニヤけてませんよ」
無理があるよ。自分。
もう、ニヤニヤじゃん。
「いや、ニヤけ「てません」」
このやりとりも本日2度目。
やる相手が格段に上だけど。。。
それは、先生に失礼か。
「早瀬先輩、本返さないとですね......。
わたし、帰りますね」
もう、先輩との楽しい時間は終わり。
本当は帰りたくないけど。
そろそろ、帰らないと。。。
早瀬先輩にも迷惑かけるし。
「さっきは助けてくださって本当にありがとうございました。
先輩、大好きです」
今日は、“好き”じゃなくて“大好き”を先輩に伝える。
礼をして、帰ろうと後ろを向き歩き出したとき。。。
──パッ。
驚いて後ろを向く。
わたしの腕は先輩に掴まれてた。
──ドキドキ。
顔、掴まれた腕。全身の体温が上がっていくのが分かった。
ほんと。今日は、びっくりすることが多いや。
「もう、暗いから家までおくる。」
「だ、大丈夫ですよ」
そんなの、心臓もたないですし......。

