すっごい疲れた。


こんなに広いとこ1人で掃除させる先生は鬼だ。



空はもう少しで日も暮れそうだ。




掃除をはじめたときにいた生徒達もほぼ帰っていた。




わたしも帰るか!と歩きはじめたとき。





なんでか分からないけど、高い本棚から本が落ちてきた。



ほんとになんでこんなタイミング!?


わたし。今日の運全部、朝に使い果たしてしまったのかな?



確実にこのままだと頭に当たるよね。


そう、思って頭を手で抑えて目をつぶったときだった。



あれ、痛く......ない。



絶対、痛いはずなのに。。。


そして、顔をあげると。




そこにいたのは......。







──── 早瀬先輩。



わたし、また夢見てるのかな。


確かめるために頬をつねった。


痛い......。



痛みを感じるってことは現実ってこと......?




「大丈夫か?」





先輩がそう聞いてくる。



わたしは噛み噛みになりながらも。





「は、は、は、はい......」





返事をする。



先輩はわたしを見て......。



「噛みすぎ」





と整った顔をクシャとしながら笑う。