ーーーーー12月31日 23:59
あと1分で今年が終わる


彼とのLINEは未読のまま何も変わらない


今年もありがとう、とか
そういう一言だけでいいのにそれすらもない


これって彼女なのかな?


もやもやした気持ちだけを抱えて年を越す



ーーーーー1月1日0:00



「あけおめー!」



家族と過ごす年の瀬は寂しくはないが
心にぽっかりと穴が空いたようだった



LINE、あたしから送るべきなんだろうか…
〝あけましておめでとう、今年もよろしくね〟


…送ったところで、何も感じないか。


スマホを裏返してテーブルに置いた



ーーーーーブルブルッ



どうせ友達だろう、そう思ってスマホの画面を眺める




祐樹「あけおめ、今年もよろしく」0:00



〝祐樹〟という名前が表示されていた


その瞬間に胸が高鳴る



まさか彼から、しかも0時ちょうどにLINEが来るなんて思ってもいなかった


今年初めてのLINEは大好きな祐樹からで
今年もよろしくという言葉が嬉しすぎる


もう終わるのかもしれないという崖っぷちの状況から手を引かれて救われた気分だった


今年も一緒にいれるんだ
その言葉だけでそう捉えてしまう


あたしはすぐに返信をする



〝あめおめ!こちらこそ、今年も仲良くしてください〟



返信したあと、スマホを胸にぎゅーっと抱きしめる



大好きな人からのLINEひとつでこんなにも喜んでしまう
目に映る世界がキラキラして見える
夢の中にいるようにフワフワする



23歳、いい大人だけど、まだまだ学生のようにキュンとできるんだなと改めて思う


そして、今年の2番目は博紀からだった


彼もまた、同じようにLINEをくれたが
嬉しさは天と地のように違って、
返信はすぐにはしなくていいやとさえ思ってしまい、
少しの間、未読スルーをしてしまった