-----12月。
どこの会社も忙しい時期ではあると思う年の瀬。
フレンチシェフをしている彼は更に忙しいらしい
連絡をしても1日1通LINEが出来れば良いほう
あたし自身も美容師をしていると忙しい時期にではあるけれど、彼への関心が薄れたことはない
だってまだ付き合って1ヶ月。
付き合って1ヶ月なんてラブラブで楽しくて仕方ない、はずだった
「ねえなんで返信無いと思う⁈」
「うーん、返信頻度は人それぞれだしなあ…付き合う前とかはどうだったの?」
仕事が終わって夜、やっと自分の時間を作れたときによく話す親友 美月
美月とは小学校から一緒だから、もう10年以上の付き合いになる
よくこうやってお互いの恋バナに花を咲かせる
「付き合う前は…毎日相手から電話したいって言われてたし、LINEももっとマメだったかな」
「付き合ったらもう自分のものになったからいいやって感じなのかなあ。
まあ、それ以前にもうやる事、最初にやっちゃってるしねえ」
そう、今の彼とは出会ったその日に関係を持ってしまった
関係を持ったあと、連絡を取ってはいたけれど付き合う、という話にはならず…
だけど彼のことを好きになってしまっていたあたしは自分から告白して…付き合うことにはなったけれど結果として、これ。
「だから身体からの関係はやめとこうねって何回も2人で反省してたじゃん」
「そうだよね…何回、同じ失敗繰り返すんだろうね、あたし」
美月とあたしは一時期、失恋の寂しさのあまり、少し男にだらしなくなったときがあった
あたしはまあ…いちいち本気だったけれど身体が先行して、ワンナイトで終わり。
もうそういうのは辛いから、真剣な恋しようって美月と2人でよく反省したはずだった
「でもまあ、一応彼女になったんだからさ…年明けたら少し落ち着いて状況変わるかもよ?」
「そうかなあ…そうだといいなあ」
今、あたしと彼を繋いでいるものは一つの約束
クリスマス前に会えた時にあたしが渡したプレゼント
彼は忙しくて買う暇なかったから、年明けたら映画見に行く時に渡す、という約束ひとつ。
はやく年が明けたらいいのに…

