カツンカツンと響く靴音はやっぱり煩いな。 女の子の靴はいつだって窮屈で歩きづらくてスニーカーが一番楽。 長ったらしい髪だって風が吹く度に唇に張り付いて鬱陶しい。 どれもこれも煩わしいもので……、 どれもこれも……吐季さんへの恋心だった。 こんな風に玉砕しても涙一つ流れない自分はやっぱり女の子向きじゃないんだと痛感して。 ああ、でも、自分のあるべき姿が浮き彫りになった。 明日も仕事だ。 目を腫らして泣く様な女の子じゃなくて良かったじゃないか。