当然そんな俺の反応を聞き逃すはずもなく、真っ赤な般若の如くな形相をそろりと覗かせてきた小田だけども。
悪い・・・、
「あははははは、お前っ・・・」
「っ・・・笑います!?そこは堪えるべきでしょう!?」
「だって・・あはは、こんな激情型だと思わなかった。あー・・・もう、本当なんなの?」
何でこうも・・・予想外な女ばかりに好かれる?
俺も・・・何でそう言う女に思わず心が擽られるのか。
思ってもみなかった小田の一面に素直な感情を零すのであれば・・・可愛い。
感情に嘘偽りなく素直の吐露。
「今の小田・・・結構好き、」
「っ・・・・」
そう、・・・素直さに素直を返すのであればその一言。
可愛くて、好きだという感情が増した。
それでも、その感情にはもれなく付属する存在があって、
「【亜豆みたい】で・・・好き、」
自分がどれだけ残酷な響きを口にしたかは理解している。
その言葉の棘に見事痛みを見せた小田の姿が今度は俺に突き刺さってチクリと痛む。
でも、撤回はしない。
『好きって・・・・対比する対象があるから自覚するんです』
亜豆のそんな一言が頭の中で浮上して反響して、改めて『そうだな』と納得した。
どうしたって、良くも悪くも亜豆と比べてなのだ。
亜豆の存在を置いてして、当たり前の様に引き合いに出して物事を測り始めている自分がいる。



