お前なんぞに興味なんてあるわけないだろう?という解釈としてとったら性格悪いと言われるんだろうか。
でも実際こんな薄気味悪い私を誘う物好きも居ないだろうと自負しているから苛立つこともなく、『な~んだ』と少し緊張が薄れたように息を吐いていれば。
「本当のお願いはさぁ・・・」
「っ・・・それ、私のデジカメ」
ピッピッと聞きなれた機械音を耳にして顔を上げれば、目の前で見覚えのあるカメラを手に画像を眺めている彼がいて。
いつの間に盗ったのだと空っぽのポケットを抑えて身を乗り出したと同時、
「ここっ、」
「・・・えっ?」
「ここどこの屋上?連れてってよ」
「・・・・ここからだと・・ちょっと遠い・・けど」
「いいよ。俺の予定を暇にしたんだから、つきあってくれるだろ?」
「っ・・・・」
付き合いますとも。
どんなに遠くても案内してあげますよ。
だから、そんな無邪気な子供のような笑みで誘わないで欲しい。
懺悔とか謝罪の心であった筈なのに場違いにも、不相応にもワクワクと心が揺れる自分がいて・・・それに気がついて困ってしまうじゃない。



