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「___って、事で電話するのもどうかと思いましてかけませんでした」
「実にお前らしい判断で最近はそれに突っ込む気力もない」
まったく悪びれずにはっきり告げてくる亜豆にもすでに慣れている。
俺としても日付が変わる時間まで待って来なかったら多分もうかかってこないだろうと予測してあった。
だからこそ落胆も程々。
目が覚めてメール一つ入ってなかった時には『亜豆らしい』で済ませていたくらいだ。
そして多分、朝一で屋上で俺を待っていそうなことも。
なんとなくそんな直感働きデスクに荷物を置くとすぐに屋上に向かった。
エレベーターを降り、屋上に通じる階段を上りかけてすぐに捉えた姿に足が止まった。
丁度上りきった踊り場の位置にチョコンと座ってこちらを見下ろしている亜豆の姿があって、視線が絡むと謝罪や言い訳でなく『おはようございます』と事務的な挨拶が落とされる。
それには苦笑いを浮かべながら階段を上り、座っている亜豆の横に身を置くとようやく『着信とメールにさっき気がつきました』とこちらに告白してきたのだ。
そして冒頭に戻る。



