ただの素直な感情の答え。
音にして響かせればミケも無駄に深読みしようなんてせず、最初に響いたのは分かっていた答えに落胆したような・・・そんな失笑。
『リオは酷いね』
「そう?」
『どうしたら嫌ってくれるんだろう?』
「そんなの知らないし。それにそれを私に聞くのは無責任じゃない?」
『無責任?』
「無責任でしょ。勝手に好きにならさせておいて、なのにどうやったら『嫌いになってくれる?』なんて、こっちからすれば『甘ったれるんじゃねぇ!』って感じよ」
何を言ってるんだと鼻を鳴らし、ミケのセンチメンタルな心情なんて知ったこっちゃないと突き放す。
だって、そうじゃない。
私から望んで好きになったんじゃない。
好きになってとばかりにすり寄って懐いて、私の好意を引き出すようにとことん愛でてきたのはミケなのだ。
なのに、それをどうしたらいいのか?みたいに本人である私に聞くなんて狡い。
私だって知らない。
『リオも伊万里君も、・・・結構残酷だよね』
「はっ?」
『一番にならないと気がついてるし、どこかで一番にする気もないと思ってるのに、一番になりたがってる人に悪戯な甘さだけ与えて気を引いて、』
「そんなつもりはないけど?」
『無自覚だから尚の事悪い。リオも伊万里君もそんなだから、俺や小田ちゃんがいつまでも恋に見切りをつけられないんだ』
響された言葉に静かに目を細める。
電話というのは、いや、顔の見えない通信手段は全部嫌いだ。
顔も見えず、感情を測れるのは音か文字か。
そんな本音も見えぬ中で成す会話に安堵など見えぬのは私だけなのか。



