『一緒に飲まない?』
「だから、飲まないって言ってる。もう着替え終わったし今更外に出るとか__」
『電話越しに、』
「・・・・」
『どうせ、今何か飲もうとしてたんじゃない?俺もビール片手に電話してるし』
「なんかムカつく」
『あはは、いいじゃない。電話越しの飲み会なら浮気にもならないからリオには都合いいでしょ?』
どこまでも腹が立つ男だ。
前もってすでに飲んでいるなんて言われてしまえば、私が飲んだ時点で電話越しの飲み会成立。
でも、ミケが言うように同じ空間に居ての浮気的な要素はない事も確か。
もういいや。と、取り出したビール缶のニップルを上げて、グラスに注がずそのまま口をつける。
その飲み込む音が聞こえでもしたのか、クスリと笑う声が鼓膜を擽った。
『そういや、伊万里君に会ったよ。あと・・・小田ちゃん?リオ公認でデートだって?』
「そうやって人を引っ掛けようと意地の悪い言葉使って惑わすのやめたら?さもあの2人がデートだって言ったみたいに言ってるけど引っかからないわよ?」
『リオは俺の言葉遊びに騙されてくれないもんね』
「ミケの言葉に素直に乗ってたら迷子になりっぱなしになっちゃうでしょ」
『ああ、でも、小田ちゃんも俺の言葉に乗ってくれなかったなぁ』
「・・・へぇ」
それは・・・良かったような、悔しいような。
絶妙な複雑さで揺れ動く。



